SF(完結編)

2012.07.04

美しい街並が視界に入ってきた。

どうやら、僕らは目的地である、サンフランシスコへ入ったようだ。

この街は、ほんとうに美しい。

ここは、本当に西海岸か?

と思う程、LAとは雰囲気が違う。

とてもクリーンで美しい街並である。

まるで、空気までが澄んでいるようだ。

例えるならば、西海岸のミニNYだ。

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このクリーンで素敵な街で、事件は起こった。

僕とチャラ男は、夜に目的もなくダウンタウンを歩いていた。

そこに向こうから、カップルと思しき黒人男性と白人女性のカップルが歩いてきた。

どうやら、雰囲気から察するに揉めているようだ。

とても、ここで書けないような言葉でお互いを罵りあっていた。

そして、僕らと丁度すれ違う時、その黒人男性は、手に持っていた飲みかけのジュースを

叫びながら女性に投げつけた。

その瞬間、ピンクの液体が、甘い香りを放ちながら歩道に撒き散らされた。

ピンクレモネードだった。

その時、僕の心の中で何かが弾けた。

そうだ、

僕は、アイスコーヒーが好きなのだ。

欲を言えば、アイスラテ。

日本では、毎日、何杯ものアイスコーヒーを飲んでいた。

西海岸についてからというもの、このチャラ男のペースにはめられ

気付いたら、自分を見失い、好きな飲み物まで変えられそうになっていた。

アイスコーヒーを飲ませやがれ。

こころの中で何度もそう叫び、このちチャラ男との別れを誓った。

とうとう、この時がきてしまった。

ピンクレモネードス解散の時である。

お互いの方向性の違いによるものだ。

どんなメジャーバンドだって、いずれは解散するものだ。

仕方がないことだと思う。

太陽が東から上り、西から沈むのを変えられないように。

結成の瞬間から解散への砂時計のカウントダウンが始まっていたのだろう。

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僕は解散の事実を、なるべく感情を抑え、事務的に関係先に伝えた。

心に大きな穴がぽっかり空いたような感覚だった。

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そして、帰りの飛行機を待ちながら、

僕はアイスコーヒー、チャラ男はフルーツスムージーを飲んだ。

ike

SF(その1)

2012.07.03

僕らは、LAから約400マイル先のサンフランシスコを目指し出発した。

30を過ぎた男が2人っきりで、

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そんな暑苦しい、男臭い車内の空気から逃げるように

僕は、ガソリンスタンドでピンクレモネードを買った。

そう、ピンクレモネードはファブリーズのような効力もあるのだ。

事実、車内の空気は明るくなり、気持ちも爽やかになった。

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そして、もう少しでサンフランシスコだなと思っていた、丁度そのころだった。

どうしても行きたいところがあるとチャラ男が、僕に話掛けてきた。

そう言った時には既に、

車の行き先はサンフランシスコ方向からずれていた。

断ることもできず、仕方なく、その思い出の地とやらに向かった。

フリーウェイをおりた時は、既に深夜0時をまわっていた。

そして、真っ暗なこの田舎街で、僕らは適当なモーテルに潜り込んだ。

チェックインしようとカウンターに向かうと、

インド系のホテルのフロントマンは、深夜に訪れたアジア人男性カップルに対し

ベットは、ダブルだね。

と気を遣ってもてなしてくれた。

もちろんツインの部屋を取った。

翌日、早朝からチャラ男はとてもソワソワしていた。

遠足の前日の子供のように。

7時30分に、逃げるようにモーテルをチェックアウトした僕らは、

まずは、ドーナッツでも食べようと車を適当に走らせた。

しかし、一向にドーナッツショップは見つからなかった。

アメリカでは、大抵10分も車を走らせれば、ドーナッツショップはあるものなのだけれど。

カリフォルニアで青春期を過ごしていたと、さんざんチャラ男から聞かされていた僕は、

本当に、この地はカリフォルニアなのかと思った。

海も見えないこの田舎町を、このチャラ男から

西海岸の緩い感じがいいんだと、さんざん聞かされていたのは一体何だったのかと。

住めば都とは、このことなんだろう。

そうこうしている内に、僕たちは住宅地を走っていた。

そして、この住宅の前で車を停めた。

この家は、彼がホームスティしていた思い出の家だった。

どうやら、ホストファミリーとは10年近く連絡を取っていなかったらしく

ここに、まだ彼らが住んでいるのか分からないらしい。

ノックをするも、返事はなかったので、泣く泣く玄関にメモを残して帰ることになった。

このチャラ男、どうやら本当は、なかなかの好青年のようだ。

西海岸のシティーボーイとは決して認めないが。

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後ろ髪を引かれながら、僕らはここを後にした。

そして、

街を走っているとcarharttの文字を見付け、車を停めた。

そこには店内、所狭しとcarharttが並べられていた。

そこに陳列されているcarhartt製品達は、他の商品よりも

威厳があり、本物だけが持つ独特のオーラを放っていた。

これは、決してセールストークではない。

事実、僕はcarharttに関わるずっと前から、このこと知っていて

日頃から、アメリカのワークウェアショップでcarharttを見て欲しいと皆に言っていた。

百聞は一見に如かず、

とは正にこのことだと思う。

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皆さんも是非、アメリカに行く機会があったら、ぜひワークウェアショップへ行ってみてほしい。

僕の言っていることが分かる筈。

ike